ラスクよもやま話

全国の受験生に愛を込めて。

いよいよ勝負の季節がやってきた。大きなかばんと緊張と不安が入り混じったような表情。
入学試験の季節だ。学生たちはこの季節、大きな重圧と闘って、希望の学校へ入るために厳しい試験を受けなければならない。

私も高校受験・大学受験を経験したが、この季節は自分との戦いでもある。とは言ってもあまり必死に勉強したという記憶もなく、答えを見ながら過去問をやっては自己満足に浸り、疲れたからちょっと休憩と言っては、家族にばれないように音量を極力小さくしてオールナイトニッポンを聴いてそのまま寝落ちし、途中までになった目の前の問題集に、後悔と自責の念にかられる朝を迎えていたことのほうが多かった(笑)

こんな生っちょろい受験生だったからか、起こるべくして起こってしまったのだ。
関東地方の大学を受験することになり、宿泊を横浜の祖父の親戚の家にお世話になった。
右も左もわからない田舎娘に、前日は予行練習とばかりに電車の乗り換えやら受験会場までの道順まで懇切丁寧に教えてくれた。
その温かい心遣いにどれだけリラックスできたことか。これで何の不安もなく明日は試験に臨める。と、安心して寝床に就き十分な睡眠をとって翌日を迎えた。

温かいお味噌汁とごはんに元気と勇気をもらい、いざ試験会場へ。
静寂の中鳴り響く鉛筆の音。国語・歴史と順調だった試験だが、3教科目の英語の問題を解いている時だった。突然お腹がキュルキュルと痛くなってきたのだ。
「気のせいだ。集中!集中!」と自分に言い聞かせて問題を進めていくが、その痛さは油汗がでるほどまでになり、もはや英語をやっているのかフランス語をやっているのか
わからないくらい深刻な痛みと辛さになってきた。あと20分、あと10分・・・。
もう答案のことはどうでもよくなっていた。そのときの目標は、「大学合格」ではなく、「一刻も早くトイレに行く。」に即変更!

試験終了後出来栄えを心配した親戚には「いろいろよくしてもらったけど、試験が難しかった。ありがとう」とだけ伝えたが、案の定この大学からさくらさくの書留郵便が来ることはなかった。
特に意識していたわけでもないし、受験大学は2校目だったのだが、どこかで無意識に緊張していたのかもしれない。

孤独の闘い・己との闘い・見えないプレッシャーとの闘い。不安との闘い。親としては何もしてやれない歯がゆさもあったのかもしれないが、ときどき部屋に持ってきてくれる夜食は、どれだけの愛と強さと勇気をもらっただろう。

あったかい飲み物とお菓子。年頃だったからダイエットももちろんしていたが、絶妙のタイミングで持ってきてくれる母の優しさにはいつも助けられていた。
先の見えない状況に大きな不安を抱えていた中、やはり家族や知人の支えは大きい。

こっそりラジオを聴いているのもつゆ知らず(いやもしかしてバレていたかも)夜食を準備してくれた母や、雪の多い日は学校まで送迎してくれた父、横浜の親戚の家まで同行してくれた祖父。「何もできないけど、がんばってこい!」と送り出してくれた祖母。側で見守ってくれて応援してくれて何があっても信じてくれる人がいるというのは大きな力になる。

自分が親の立場になるとわかるが、自分の命より大切な存在のためにしてあげられることって、たくさんあるようだけど意外と少ない。あれもこれもと手を出し口を出すのは簡単だが、子どもには子どもの人生があるし、その人生を親が決めるわけにはいかない。
自身の決断と覚悟が必要になる局面を迎える時がいくつもあるはず。そんなとき、親としてどんなふうに関わればいいのかは、私自身もまだまだ模索中だ。

我が家の小学生も来週はテストがあるといって宿題をたくさん出された模様。「早くやりなさい!」「なんで出来ないの!」とお尻をたたくことも大事だが、がんばろうと小さな闘志を燃やしている心に寄り添い見守ることも子どもとの信頼を築く上で大切なのかもしれない。

そんなことを思いながら、宿題がんばったで賞のラスクをひとつ、愛を込めて。。
全国の受験生、がんばれ!

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